2013年03月04日
Posted by こち at
2013年03月04日23:48 Comment(0)
中国少数民族の旅 1
湖北省、湖南省、四川省の山間部は土家族、苗族、侗族等複数の少数民族が入り混じり暮らしている。
日本ではあまり知られていない土家族はその中でも人口が比較的多く、古代春秋の巴国人の末裔とも言われる。巴国は、重慶、四川、湖北省の隣接する地域にあったとされ、漢民族とは全く違い、ペルシャからの移住者を祖先に持つという。
ただ、身体的特徴は、漢民族化しており、ほとんど見分けはつかず、鼻筋がとおっている人が多いことくらいである。
秦の始皇帝の時代には、秦朝より独自の自治権を与えられており、古くからこの地に居住していた民族である。
土家とは「地元の民」の意味なので、洞穴のような家に住んでいるという意味ではなく、独自の文字は持たないものの、漢民族に劣らぬ、文明的に開けていた民族である。
苗族は、古代は平原に住んでいた民族で、漢民族の侵入により山へ追いやられたといわれている。
近代化により各民族独自の文化、風習は薄れつつあるが、近年、民族舞踊の大会が行われたり、侗族伝統の「風雨橋(タイトル写真)」等が修復、再建されたりと、その文化が見直されつつある。
まずは、代表的な建物を紹介していきたい。
涼亭橋
湖北省慶陽涼亭橋
川を渡るための手段としてよりも、人々の憩いの場としての東屋的橋で、名前の通り、涼むところである。その証拠に、慶陽の涼亭橋では、向こう岸には板をかけて通れるようにはなっているが、橋は片側の岸とは繋がっておらず、橋桁の途中で終わっている。
橋の向こうは、アーケード的な商店街になっており、雨が降っても一応濡れないが、薄暗いので、市が立つ日でなければ閑散としている。
湖南省西北部の涼亭橋
こちらの涼亭橋は、思い切りよく、一方がたんぼで下りられもしない。
侗族鼓楼
侗族は川岸に居住するため、橋や楼閣式の木造建築に優れている。
風雨橋
侗族の風雨橋は、巨大なあずまやである。橋上にベンチがあり、手すりにもたれて黄昏れるもよし、ベンチで将棋を打つのもよし、市民の憩いの場所になっている。
続く